今回のテーマは「がんのリハビリテーションの中止基準とリスク管理」です。がんの患者さんを担当する上で絶対に欠かすことのできないリハビリの中止基準についての知識とリスク管理について簡単にまとめてありますので、参考にして見てください。

YouTubeでも今回の内容を公開しているので、ぜひ見て見てください!

 

今回の記事についてはYouTubeでも紹介しているよ!
忙しい人は動画でも勉強できるよ!
https://youtu.be/sPmVWlJH9Yo

はじめに

がんの患者さんを担当する際に必ずおさえておいて欲しいことが2つあります。それは中止基準、リスク管理についてです。
がんの患者さんの病態や治療方法は様々です。そのためこの2つをおさえておかないと運動療法の実施が患者さんに悪影響を及ぼすこともあるため注意しなければなりません。
がんの患者さんを担当することのある理学療法士をはじめとしたリハ専門職は必ずおさえておきましょう。

先輩、がんの患者さんを初めて担当するのですが、どんなことに気をつけたら良いですか?

そうか、初めてだったか!それならまず、がんリハの中止基準やリスク管理方法について知っているかな?

がんリハにも中止基準、リスク管理方法があるんですか?

がんリハ中止基準について

がんの患者さんに対してリハビリテーションを行うにあたって必ず知っておかないといけないことの1つ目に「中止基準」があります。

これは絶対におさえておいてください。

がんのリハビリテーションガイドラインでは以下のようにがんリハの中止基準を定めています。細かい数字を覚えることはなかなか難しいかもしれませんが、頑張って覚えましょう!

これらの中止基準に該当する患者さんを担当している時は注意しましょう。

ヘモグロビンや血小板、白血球などの血球減少などは良くみかけます。抗がん剤治療や移植手術前の寛解導入などでは必発です。

骨転移がかなりの大きさを認める場合は、骨折や脊髄圧迫のリスクが非常に高まります。

その他、全身状態の悪化をあらわす身体的特徴などが、がんのリハビリテーションの中止基準に含まれます。

なるほど・・・中止基準については分かりました。これに当てはまらないけど注意した方が良いことはありますか?

がんリハビリテーションにおけるリスク管理について知っておく必要があるね!

リハビリのリスクベネフィット

がんの患者さんに大して運動療法を行うに当たり、「がんリハの中止基準」をおさえておくことは最も重要です。

ただ、多くのがんの患者さんの場合、この中止基準に該当する人が本当に多いのです。そのため中止基準を厳密に守りすぎると運動療法などをほとんど行うことができなくなってしまいます。そのため実際の臨床現場では「がんリハの中止基準」には該当しているけれど、十分にリスク管理をした上で運動療法などのリハビリテーションを実施していることは多くあります。

ですから、リハビリテーションを行うことによるベネフィットの方が高い総合的に判断されるような場合にはリスク管理に十分配慮した上で実施することがあります。

がんリハのリスク管理

それでは、がんの患者さんに対してリハビリを行うことの方が得られるベネフィットが高いと判断された時、どのようなリスクに注意をして介入すれば良いのでしょうか?

好中球減少と感染リスク

これは特に注意をすべき項目です。抗がん剤治療や移植手術などを行う際に、好中球などの血球減少が容易に起こります。

好中球は体の免疫機能として働きますので、これが減少すると感染リスクが高まるのは簡単に想像ができると思います。

好中球数が減少するごとに感染リスクが増大し、敗血症などの致命的感染症を起こすなど緊急を要する事態になることもあります。

実際、私も多くの患者さんを担当してきましたが、患者さんたちが好中球の減少による影響で感染を引き起こしICUに入室してしまうなどの経験が本当に多くあります。

またこの好中球数の減少が長期にわたるとそれだけリスクは上昇していきます。

好中球数が100/μl以下の状態が1週間以上続くと重症感染症の発症率は28%にもなります。

下の図から見ても分かるように好中球数の減少の程度によっても感染症の発症リスクが異なることが見てわかりますよね。

なるほど・・・好中球数の減少がずっと見られるような患者さんには注意をして関わった方が良さそうですね。

血小板減少数の減少と運動負荷設定

理学療法士には血小板の数にも注意をして欲しいです。なぜなら血小板数もがん患者さんにおいては減少することが非常に多くあるからです。

血小板はご存知、止血に作用します。その血小板が減少するとどうなると思いますか?

血小板数が減少すると出血リスクが高くなるため、運動療法の負荷設定を検討する必要があります。

血小板数がかなり減少している時期に過剰な負荷で運動療法を行うと関節内、筋肉内に出血を起こす可能性があるため注意する必要があります。場合によっては筋力増強訓練などの積極的な運動療法を行うことが出来なくなります。

血小板数によって実施される運動療法などの内容が異なるから、しっかり覚えておこう!

この血小板数とリスク管理についてはもう1つの記事で詳しく紹介しているからこちらもチェック!
【今更聞けない!がん患者の血小板数減少と出血傾向に対するケア】
https://onehealthlonglife.com/care-keshoubangenshou-shukketu/https://onehealthlonglife.com/care-keshoubangenshou-shukketu/

リスク管理も個別的に対応

血球減少の程度とリスク管理の方法について紹介をしてきましたが、患者さんによって症状の出方は異なります。

同じ血球数でも症状が出る人がいれば、出ない人もいます。

その理由はリスクの変化要因として年齢、他の合併症、心機能、肺機能、治療内容、血球減少期間などが複雑に絡み合うからです。

そのため、がんのリハビリテーションの中止基準、リスク管理の方法について一定の基準がありますが、個別的な対応が求められます。どのようにすべきか非常に悩む場面も多いことも確かです。

あくまでも中止基準やリスク管理については目安であり、個々の患者さんの状況に合わせて対応するということが臨床現場では求められます。

さいごに

がんのリハビリテーションと一口に言っても領域も多岐にわたっており様々です。そのため理学療法士も多くのことを学ばなければならないので大変・・・。

1つ1つのことをゆっくりと理解して、がんの患者さんに有益な医療を届けられるよう頑張りましょう。

YouTubeチャンネル「リハビリ・ラボ」では「がんのリハビリシリーズ」として動画をアップしています。ここではがんのリハビリの基礎的な知識から骨転移、薬剤などを学ぶことができるようにしていきます。

興味のある方は下のゴリラをクリックしてYouTubeを見てみてください!

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