はじめに

【この記事を1分間で読む】

自閉スペクトラム症は病気ではなく、その人の特性によるものですので根治的な治療はありません。特性として対人関係が苦手、強いこだわりなどがあります。この特性が強い場合、他の人からの理解が得られず精神的にストレスを感じるようになる結果、不安、うつ、不登校などの二次障害が出現することがあります。そうならないためにも、その子供の特性に気づき、理解をしてあげることが大事です。また環境面への配慮も行うことも大切です。

 

自閉スペクトラム症とは

「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもちます。発達障害の1つです。

早ければ1歳半の乳幼児健康診査でその可能性がわかることもあります。

  • 対人関係が苦手
  • 強いこだわりがある
  • 20~50人に1人程度の割合
  • 男性に多くみられ、女性の2~4倍程度

その他にどんな特徴があるのでしょうか。

 

自閉スペクトラム症を疑う特徴

自閉スペクトラム症かな?と思う特徴は以下のようなものがあります。

視線が合わない、合っても共感的でない
表情が乏しい、または不自然
名前を呼んでも、振り向かない
人見知りしない、親の後追いをしない
ひとりごとが多い、人の言ったことをオウム返しする
親が「見てごらん」と指差してもなかなかそちらを見ない
抱っこや触られるのを嫌がる
一人遊びが多い、ごっこ遊びを好まない
食べ物の好き嫌いが強い

欲しいものを「あれとって」と言葉や身振りで伝えずに、親の手をつかんで連れて行って示す

正確に診断をしてもらうためには専門の医師や心理士による問診・面接・行動観察などが必要です。
自閉スペクトラム症では「対人関係」を調整することの難しさと「こだわり」の強さが特に大きな特徴です。
これらの特徴は人によってそれぞれですし、成長の過程で変化もしていきます。
大人になると社会に出ていく中で支障をきたすこともあります。

 

【大人になった時の特徴】

  • 自分の好きなことを話すときに饒舌になりすぎることがある
  • 普通に話しているつもりでも、相手を不愉快にさせる
  • 空気が読めない
  • 面接などが苦手で仕事に就くことができない
  • 仕事に就いても融通が利かず、臨機応変に仕事をすることができない

このようなことが大人になってからも日常生活の中で起きてしまう可能性があります。
自閉スペクトラム症の方に全てあてはまるわけではありませんが、共に働く時にどのようにすれば良いのかが記載されてある厚生労働省のHPがあります。

発達障害がある方と働く上でのポイントと障害特性

 

自閉スペクトラム症の原因

自閉スペクトラム症は病気ではありません。特性と捉える方が適切であるとされています。
持って生まれた特性ですので、薬などで治療をすることはありません。
また先天的なものですので、完全になくすことは難しいです。
それぞれの特性に合わせた教育として「療育(治療教育)」という支援を行っていき、生活の中での支障を少なくなることを目指します。

 

自閉スペクトラム症の二次障害

対人関係に支障を起こすようなことが多いとそれがストレスやトラウマの引き金となってしまうことがあります。
問題を起こす自分を否定的に考え、自信を失ってしまいます。
その結果、二次障害があらわれてきます。

 

身体症状
 頭痛、腹痛、食欲不振、チック
精神症状
 不安、うつ、緊張、興奮しやすい
その他
 不登校、ひきこもり、暴言・暴力、自傷行為など

そのため、できるだけ早期にその子供の特性に気づいてあげること、その特性を理解し、支援することが求められます。

またストレスを感じにくい環境、好きなことができるようにするなどして、この二次障害が出来る限り生じないようにすることが大事です。

 

特性の活かすという考え方

強いこだわりが特徴の1つですが、これを強みに活かすことができます。

こだわりが強い分、その分野に関しては専門的な知識や技術が身に付けることができる可能性もあります。
そのため、その子の「好き」「興味・関心」を伸ばすための環境を準備してあげる、またその様子を見守ることも必要でしょう。

生活に支障をきたすようなことが多い場合はとても大変だと思いますが、支障をきたすようなことが少ないのであれば、その子の生まれつきの特性、脳の働き方を反映した「個性」として捉えることもできます。

 

苦手なものに対してどうするか

自閉スペクトラム症は好きなことや得意なことの能力はどんどん伸びていきます。
それとは反対に苦手なことも多いのが特徴でもあります。

「できないこと」「わからないこと」などは人に聞いたり、手伝ったりしてもらう、また自分でもできそうなやり方がないか相談できるなどの行動を行えるようになることが大事です。

こだわりが強い特性があるため、臨機応変に行動することが苦手な傾向にありますが、具体的に「こうするんだよ」としっかりと手順やルール、決まり事を伝えるようにしてあげると、それを守ることは得意分野ですので出来るようになります。

朝起きてから出かけるまでの一連の行動スケジュールを絵と文字にして示してあげておいてあげるなどの方法も良いと言われています。

ただしそのルールが一旦定着したあとに、そのルールをこちらが勝手に変更しようとすると、また混乱の原因になってしまいますので注意が必要です。

変更をするときにも手順をしっかり分かりやすく説明した上で、子供が納得しているかどうかを確認しながら関わることが必要です。

 

わたしの病院での経験

病院でも自閉スペクトラム症のお子さんと接する機会がありますが、時に関わり方に悩むこともあります。

  • 理学療法士という人との初めての対面
  • 病院のスケジュールに慣れること
  • 治療に対して理解すること

私がこれまでに感じた主な課題です。
病院では初めてのことが多く、これまでの生活とは一変してしまいます。
理学療法士なんて出会ったこともないですし、ましてやリハビリテーションやその他の治療のことも知らないので、混乱の原因になってしまうのでしょう。
私は、ゆっくりと関わることを意識しています。急に声をかけない、いきなりリハビリを始めない、そして時間厳守を心がけています。
またリハビリではどんなことをするのか、理学療法士とはどんな人なのかについての説明文章をイラストつきで作成しお渡ししたりなどもしました。

人にもよりますが、それでもやはり時間はかかることが多いです。

 

さいごに

自閉スペクトラム症の特性をすぐに理解することは難しいかもしれません。また自閉スペクトラム症の方も私たちのことをすぐに理解することは難しいかもしれません。お互いがわかりあうのには時間がかかるものだということを念頭におきながら、歩み寄る姿勢がまずは大事だと思います。どんな特性があるのかをしっかりと発見し、環境をゆっくりと整えてあげること、そして自分自信の力でも行動が出来るようにすることが大切です。

 

 

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