今回の記事は総合リハビリテーション2020年9月号に掲載されていた記事のレビューだよ!

皆さんは、雑誌、総合リハビリテーションを毎月読んでいるでしょうか。私も毎月全記事を読んでいるわけではないですが、総合リハビリテーション2020年9月号では「がんの脊椎転移による腰痛」というテーマで記事がありましたので、今回は少しだけ紹介をしていきたいと思います。

【今回の文献レビュー】

総合リハビリテーション 第48巻9号2020年9月号
がんの脊椎転移による腰痛/高木辰哉

先輩!総合リハの9月号が本棚にないんですけど、知りませんか?

あ、ごめん!それ私だ!結構面白くてつい持って帰って読んでしまっていたよ。

そうだったんですか!どんなことが書いてありましたか?

そうだな、がんの脊椎転移による腰痛は参考になったかな!

簡単なレビュー

がんの脊椎転移による腰痛

  • 脊椎転移による腰痛の成因
  • 脊椎転移の診断
  • 脊椎転移に対する治療
  • 脊椎転移症例におけるリハビリテーション治療の処方
  • リハビリテーション治療の実際
  • 方向性を共有する取り組み

これらの項目に分けられて記載がされてあります。1つ1つ全てに触れることはできませんが、非常に端的に記載がされてあり分かりやすかったです。

中でも最も印象に残った部分は脊椎転移に対するリハビリテーションの効果について触れている箇所があったので、今回はその部分をピックアップして紹介したいと思います。

脊椎転移に対するリハビリテーション

結論から先に言うと、脊椎転移に対するリハビリテーションによる介入効果、装具療法はいずれもエビデンスレベルで見ればかなり低いとされています。

一方で放射線治療や薬物療法は高いエビデンスが示されています。

えーそうなんですか?リハビリってあまり効果がないんですね

確かにがんのリハビリテーション診療ガイドラインや骨転移診療ガイドラインなんかを見てもエビデンスレベルが低いね

でも心配することはないぞ、この文献でもきちんとリハビリをすることの意義が示されているからな!

骨転移患者へのリハビリテーションの実際

ガイドラインなどは残念ながらエビデンスレベルは低いのが現状ですが、この文献でも脊椎転移に対するリハビリテーション治療を否定するものではないと言っています。

その理由は以下のように示されていました。

リハビリテーション治療を行う目的は、骨転移やその治療による合併症の予防、動作時痛軽減、ADL改善とQOL向上を目指すものである。

確かに、がんの骨転移のある患者さんに対してリハビリテーションを行う意義は1つではありませんよね。

疼痛が強ければ疼痛を回避・軽減できるような姿勢・動作指導を行うことができます。また長く続く疼痛により安静臥床が強いられている方に対しては下肢の筋力低下予防のためのトレーニングを実施することもできます。

その他、装具療法を実施するにしても理学療法士であれば疼痛の軽減だけに注目するのではなく、装具装着による皮膚トラブルにも対応することだってできます。

その他、環境整備、社会資源の導入の検討をすることもできます。

これらのような介入効果が複雑に絡みあって脊椎転移患者のADLやQOLを向上させることが出来ることから、リハビリテーションの介入意義は十分にあるとされています。

そうですよね!確かに出来ることはたくさんありますよね!

理学療法士にも出来ることはたくさんあるよね。もちろんリスク管理などは十二分にしながらだけど!

私の経験

確かに骨転移がある患者さんに対するリハビリテーションはなかなか思うようには進まないことも多くあります。

疼痛、がん性疲労、悪液質など様々な病態があるため思うようにはいきません。そのため少しでも患者さんの思いを実現できるよう医師にしっかりと鎮痛薬の調整をしてもらったり、病棟とADLの確認を行ったりします。

この連携が脊椎転移のある患者さんを担当する時にも重要なのですが、いつもいつも十分にできるというわけではありません。

脊椎転移のある患者さんを担当する時は多くのことを考える必要があるので、大変かもしれません。でもまだ答えのない領域でもあるので非常にやりがいはあると思います。

私の経験を以前、noteにまとめていましたので、そちらを共有させていただきます。下記noteで書いた患者さんも脊椎転移のある方でしたが、医師・病棟と連携して介入ができたおかげで、本人の思いを尊重した関わりができました。

医療現場で感じた心の豊かさの大切さ
https://note.com/health_only1/n/n467ebc5532fb

連携と一口に言ってしまえば簡単にも思いますが、これが本当に難しいということはこの記事を読んでくださっている人なら、もうお気づきでしょう。

今回の総合リハの記事を執筆された先生の施設では月に2回、骨関連事象カンファレンスがあるそうです。すごいですよね。こうしたことの積み上げが本当の意味での連携になるのだと思います。

骨転移のある患者さんの病態は刻一刻と変化しますので、適切な介入ができるよう理学療法士も勉強をしなければなりません。そして今、エビデンスレベルでは低いようになっていますが、私たちの頑張りがガイドラインを変えることができるかもしれないと思いながら日々自己研鑽しましょう。

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