はじめに

LTFU外来の存在をご存知ですか?あまり聴きなれない方も多いと思いますが、徐々にこのLTFU外来について注目が集まってきています。

これは移植術を受けた患者さんを自宅退院後も長期的にフォローアップをする外来になります。

理学療法士もがん患者さん、特に移植をされるがん患者さんと関わる機会も増えてきています。がん患者さんと関わる理学療法士の方には必ず知っておいて欲しい内容になっています。

また今回の記事はYouTubeでも紹介している内容になっています。忙しい方は耳だけでも勉強が可能です。

先輩、LTFU外来って何ですか?聞いたことがありません。

多くの人が知っているわけではないと思うが、PTもがんの患者さんと関わる機会が増えているし、これは知っておいた方が良いぞ。

LTFU外来とは

LTFUとはLong Term Follow-Upの略で、長期フォローアップについてを言います。移植をされた患者さんを退院後も定期的に検査や診察、生活指導を受けていただくことをいいます。

このLTFU外来を実施している施設が全国で増えつつあります。

移植後患者指導管理料は臓器移植や造血幹細胞移植を受けた患者さんが移植した臓器や造血幹細胞を長期にわたって生着させるために多職種が連携して、移植の特殊性に配慮した専門的な外来管理を行うことを評価するものとされています。

移植後患者指導管理料は、臓器等移植後の患者に、専任する医師と看護師が、薬剤師等 と連携し、拒絶反応や移植片対宿主病(GVHD)、易感染性など生活する上で必要な指導管理を行なった場合に、月1回に限り算定するとされています。

算定している施設では専門外来を設けて運営をしていることがほとんどのようです。

LTFU外来の目的

移植術を受けた患者さんは移植後3ヶ月が経過しても様々な合併症が起こることがあります。これを晩期障害と言います。

移植術後の晩期合併症とは、主に感染症やGVHDなどが含まれます。これらの晩期障害から患者さんを守るために行われているのがLTFU外来なのです。

LTFU外来は移植術が終了した退院患者とその家族を対象にして行っています。

外来通院は定期的に行う場合と、身体症状が出て困っている、生活面に支障が出ているなどの時に行うことがほとんどのようです。その症状に対する相談を専門の医師や看護師が行います。

私自身も勉強をするまで知りませんでしたが晩期障害の中でも理学療法士も関係性が深い晩期障害がありますので簡単にご紹介します。

理学療法士も知っておくべき晩期障害

晩期障害も非常に多くあるのですが、その中でも特に理学療法士が知っておくべき移植術後の晩期障害、筋・結合組織と骨量低下・骨粗鬆症があります。

骨粗鬆症・骨量低下

造血幹細胞移植後の合併症としての骨粗鬆症、骨量低下の発症率は、骨粗鬆症25%、骨量低下が50%とかなり高値であることが報告されています。

かなりの頻度で生じることが分かっています。もし仮にこのような問題が生じている患者さんがいた場合、転倒でもすれば骨折してしまう可能性がありますので注意が必要です。

筋・結合組織

造血幹細胞移植後の筋・結合組織における主な晩期合併症はこれらのようなものがあります。

ステロイド性ミオパチー、筋炎および多発筋炎、筋膜炎、強皮症様硬化性病変などです。

ステロイド性ミオパチーは慢性GVHDへの長期ステロイド治療の合併症の中で最も頻度の高いものとされています。下肢近位筋、特に大腿四頭筋の障害が多いです。

こうした慢性GVHD関連ミオパチーは移植後2~5年で発症することが多く、近位筋や筋力低下や筋痛を来たし下肢が障害されることが多いため理学療法士も関係が深いと言えます。

後方視的研究では慢性GVHD関連のミオパチーの移植後5年の累積発症率0.54%と報告されています。

このような現状があることをどれだけの理学療法士が知っているでしょうか。

LTFU外来通院患者の声

このグラフは国立がん研究センター中央病院のLTFU外来を受診した患者さんから看護師が受けた相談の件数を示したものです。

LTFU外来で通院する患者さんからの相談は非常に多岐にわたることが分かるかと思いますが、その中の1つに社会復帰、リハビリの項目がありリハビリの内容について相談されている件数も非常に多いことがわかるかと思います。

先ほどの筋・骨格系の晩期障害についても紹介しましたが、理学療法士をはじめとしたリハビリ専門職がLTFU外来に関わることの必要性が高まっているのかもしれません。私の知る限りでは理学療法士が積極的に関わっている施設はあまりありません。

がんの患者さんが増えてきていること、さらにはがん患者さんの生存率が向上してきていることから、こうした患者さんを理学療法士もしっかりとフォローアップしていくことは大切なのではないかと思います。

全然知らなかったです・・・。理学療法士も関わるべき晩期障害があるのですね。そしてのそのようなフォロー外来があるなんて・・・。

そうなんだよな。困っている患者さんのところへ行って私たち理学療法士の力も役立てたいよな。まずは自分たちの所属施設がこのLTFU外来を開設しているかどうか調べてみるか。

先輩・・・うちはやっていないみたいです・・・

えーーーーーーーーーマジでーーーー

さいごに

LTFU外来はまだ全国でも開設している施設は少ない現状にあります。そのためこのLTFU外来に関わっている理学療法士は少ないかもしれません。

ただし、筋・骨格系にも生じる晩期障害についての説明などは入院中からも行うことが可能だと思います。そのため移植術を受けた患者さんを担当する場合は、LTFU外来の有無に関わらずそうした関わりを持つことも大切なのかもしれません。

もちろんしっかりと勉強をした上でですが。

目の前の患者さんに対して少しでもできることがあるのであれば理学療法士も惜しみなく行動していきましょう!

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