はじめに

「多発性骨髄腫てどんな病気?」「治療はどんなものがあるの?」などを中心にまとめています。

芸能人の「大助花子」がこの多発性骨髄腫という病気と闘っていたことが報道されていましたね。

芸能人が闘病をしていたということで「こんな病気があったんだ」と初めて病気を知ることも多いと思います。家族や友人、また自分が多発性骨髄腫になってしまって不安だという方々に向けて簡単にまとめました。

今回の内容はYouTube「リハビリ・ラボ」でも紹介していますのでぜひこちらもどうぞ!

多発性骨髄腫ってどんな病気?

多発性骨髄腫とは血液細胞のがんです。

血液細胞とは普段から皆さんがよく耳にする赤血球や白血球も含まれます。全ての血液細胞は骨髄と言われる骨の中にある場所で作られる造血幹細胞から作られ、赤血球(酸素を運ぶ)、血小板(血を止める)、白血球(免疫に働く)の3つに分かれます。

多発性骨髄腫はその中でも白血球の1つに含まれる形質細胞の異常により引き起こされるとされています。多発性骨髄腫はこの形質細胞が腫瘍(しゅよう)化して骨髄の中で増殖する病気です。

この形質細胞は骨髄で作られる白血球(免疫に作用する)の一種であるB(リンパ球)細胞が成熟することでできる細胞のことです。

形質細胞は細菌やウイルスが体の中に入ってきたときに抗体というものを作り出して、感染や病気の発症を予防する働きがあります。

この腫瘍化した形質細胞は体の中に入ってきた敵を攻撃する力がない上に、全く役に立たない抗体(Mタンパク)を作り続けてしまいます。

この役に立たない抗体(Mタンパク)が厄介で、他の臓器につき様々な症状をひき起こしてしまうのです。

芸能人の大助花子も多発性骨髄腫というがんという病気と闘っていたことになります。

がんとの闘いを明かした芸能人は数多くいます。市川海老蔵の奥さんも長きに渡ってがんと闘い、お亡くなりなったことは皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。今やがんという病気は2人に1人がなる時代に入っています。

多発性骨髄腫という病気は聞きなれないですが、これもがんの1つなんですね。

多発性骨髄腫はどんな症状?

多発性骨髄腫は血液のがんですので、症状が体の1部に出るのではありません。血液のがんですから、全身の色んな箇所に出ます。

・腰痛

・貧血による息切れやだるさ

・易感染性

・過粘稠度症候群(血液の循環障害)

・アミロイドーシス(アミロイドと言われるタンパクが細胞と細胞の隙間に沈着して、組織や臓器の機能障害を引き起こす)

・高尿酸血症

・腎機能障害

以下の図が多発性骨髄腫の主な症状をまとめたものになります。

多発性骨髄腫の診断方法は?

多発性骨髄腫の診断を受けるためには、病院に行き精密検査を受けないとわかりません。検査、血液検査、骨髄検、レントゲン撮影やCT・MRI検査、PET検査などが行われます。

血液や尿の中にどれだけMタンパクがあるかを調べないといけないからです。

また骨髄穿刺といって、腰に針をさして骨髄を直接抜き取り、骨髄中の形質細胞の増加をみて判断します。この骨髄穿刺という検査が、ものすごく痛い検査なのです・・・。

その他、レントゲンでもわかることがあります。骨融解(骨が溶けて変形すること)や骨折などの骨の異常が実に70%の症例で認められるとされています。

特に頭蓋骨、肋骨、脊椎(背骨)、骨盤、手足の骨などに多く、背骨の圧迫骨折も認められるそうです。

要するに病院に行ってお医者さんに見てもらわないとだめな病気なのですね。

先ほどの症状が続く場合は一度診察を受けてみるのも良いかもしれません。

多発性骨髄腫の発症年齢は?

多発性骨髄腫という病気の発症年齢は60歳以降に多いとされています。40歳未満での発症は非常にまれです。花子師匠もこのような年齢に当てはまります。

年齢があがるにつれて発症率はやや上昇し、男性に多い傾向にあると言われています。

我が国では年間に10万人あたり5人の発症すると言われています。

骨髄細胞種には遺伝子や染色体が発症に関係すると言われているようですが、今に十分解明されている訳ではないようです。

多発性骨髄腫の治療ってどんなの?

多発性骨髄腫などの造血幹細胞関連のがんは、強力な化学療法や放射線療法によってがん細胞を死滅させ、その後に造血幹細胞を移植します。移植によって正常な造血機能を回復させることを目標にして行います。

多発性骨髄腫とはじめて診断された場合には、まずは骨髄腫細胞を減少させるために薬物療法を行います。条件が合う場合には大量抗がん剤投与を併用する造血幹細胞移植(自家移植)を行います。

しかしながら診断はされても症状がないような場合はすぐに治療を行う必要はありません。「くすぶり型(無症候性)骨髄腫」や「意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)」と呼ばれる疾患がこれに当てはまります。

①多発性骨髄腫における薬物療法とは

メルファランなどの細胞障害性抗がん剤(以下、抗がん剤)とステロイド剤に加えて、さまざまな薬剤(ボルテゾミブ、レナリドミド、サリドマイド、ポマリドミドなど)が保険承認されており、これらを適切に組み合わせた薬物療法を行います。

②造血幹細胞移植(自家移植)とは

この造血幹細胞移植(自家移植)を受けることができる人は65歳以下の方です。臓器の機能がある程度健康に保たれている65歳以下の方へは自家移植を考慮します。自家移植を行う方は導入療法といって移植を行う前に、骨髄腫細胞を減らす目的で薬物治療が行います。この導入療法を施行後、自家移植が行うことができるどうかを検討します。

66歳以上方や65歳以下で重要な臓器の障害などのために自家移植を行わない・できない方には、ボルテゾミブやレナリドミドなどの薬剤を中心とした多剤併用療法が行います。

③放射線治療とは

白血病や悪性リンパ腫、そして多発性骨髄腫は放射線療法での治療効果が期待されています。放射線治療はがん細胞を死滅させる目的や痛みを和らげるのために実施されます。放射線治療は1回で終わりではなく、毎日少量頻回に照射して行います。

④リハビリテーションとは

これは多発性骨髄腫を直接治すための治療方法ではありません。放射線や抗がん剤などを長期に渡って行っている方は筋力や全身持久力の低下が入院中から生じてしまいます。

その筋力・全身持久力の改善に向けたリハビリテーションを行います。

さいごに

たくさんの人がなるわけではありませんが、多発性骨髄腫という病気がある事を知っていただけたでしょうか。

多発性骨髄腫という病気は血液のがんですので、一見外から見てはわかりません。ですので、「性骨髄腫に対する治療を受けた後の患者さんだ!」なんてことは街中ではわかりません。

皆さんが生活している周りにも多発性骨髄腫と闘った方がいるかもしれません。

思いやりのある生活を続けて行きましょう。

【今回の多発性骨髄腫の参考書籍・文献・HP】

1)国立ガン研究センターHP https://ganjoho.jp/public/cancer/MM/index.html

2)医学書院 成人看護学講座 専門分野Ⅱ 血液・造血器 成人看護学④ p119−125

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