はじめに

ペルソナという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
このペルソナは商品開発や販売、または企画をする上で非常に重要なマーケティングの知識の1つです。ペルソナと似たような言葉の1つにターゲットがありますが、意味合いは全く異なります。このような知識は企業が必要なものだろうと思いがちですが、私は医療者にも必要だと思っています。今回はマーケティングの知識として必要なペルソナとターゲットの違いについて簡単に説明をします。

医療者からよく聞く悩み

「研修会に人が集まらない」

「どう研修会の広報をしたら良いかわからない」

これは私自身、今も悩んでいることです。最近、マーケティングの本や文献などを読むことが多いのですが、マーケティング力があるとこれらの問題が解決しそうな気がしています。

ここで研修会や学会を運営している側の医療者に考えてほしいことは「ターゲット」や「ペルソナ」をしっかりと設けているかどうかということです。

ターゲットとは

ターゲットを設けるのには、自社の商品を購入してもらうためにどのような商品を開発・販売すれば良いのかを考えるためにあります。

ターゲットはある程度、顧客像に幅をもたせてイメージをします。以下のような形で表現するのがターゲットです。

これで十分だと感じるケースもありますが、多くの場合十分ではないでしょう。

だって、このターゲットとして設定した人が本当に欲しい商品や情報がどのようなものなのか明確に分からないからです。だからターゲットが本当に欲しいと感じる、またニーズを満たすような商品などをつくることが出来ないままになってしまうのです。

ペルソナとは

ペルソナとは、企業や商品の典型的なターゲットとなる顧客像のことです。ここでポイントとなるのは、典型的なターゲットということです。

ペルソナが定める顧客像には、氏名や年齢、居住地、職業、年齢、価値観やライフスタイル、身体的特徴までのかなり細かい情報が盛り込まれます。

ペルソナで顧客像をイメージするとこんな感じになります。

先ほどのターゲットよりもグッと具体的になりました。このようにより具体的に顧客像をイメージし落とし込んだものがペルソナになります。

ここまで設定すると、何の商品を販売すれば買ってくれそうか?どんな情報を流せば喜んでくれそうか?などの企画・開発をより具体的に進められそうですよね。

顧客が抱えている問題は何なのか、どうすれば解決できるのか。

例えば、このペルソナの場合は夫の健康状態の不安があるのでこれを解決できるような商品や情報があると喜びそうです。そして料理が得意であると設定しているので、この働き世代の夫の健康状態を改善することができる「減塩醤油」などの商品や「健康レシピ」などを届けるとより喜んでくれそうです。

というように、より具体的に典型的なターゲットを表したものがペルソナです。

マーケティングを行う上で3C分析といって「顧客・自社・競合」考えるべきことがありますが、この中でも顧客が最も重要であるとされています。

ペルソナの設定項目は多種多様であり、自分たちが提供するものに合わせて設定をすると良いですね。年収や学歴、趣味(好きな本や映画、スポーツ)、インターネット・アプリの利用頻度などなど、まだまだたくさんあります。

ペルソナマーケティングとは

ペルソナマーケティングとは商品・ブランドのターゲットとなる人物像を詳細に作り込み、その人物に対する宣伝、広告、販売戦略を練るというマーケティングスタイルのことです。

つまり狙い撃ちをするということ。

ペルソナのようにより具体的に顧客像を絞ると商品の購入者数が減るのではないかと心配にもなります。

しかしながら、ペルソナのニーズを満たすような商品を考え、売り出すということは、そのほか多くのユーザーのニーズを満たすことにつながります。そして結果的に多くのユーザー視点の満足度を高めることが出来るようになります。

このペルソナを設定する時に、このペルソナの精度が低ければこのペルソナマーケティングも失敗に終わります。そのためペルソナの設定はきちんと作成した方が良さそうです。

例えばホームページの運用を考えるにあたっても、顧客がどんな人なのかを決めることは重要なことです。ペルソナの設定は、ターゲットを定めるだけでなく、自社の強みや弱みも知ることもできますので、必ず行うことが勧められています。

この私のブログも同様のことが言えますね・・・。

ミッションとビジョンがあるか?

自分たちが提供する商品やサービスのターゲット・ペルソナを設定する前に、そもそも「私または企業は何のために存在しているのか?または何をしたいのか?」について考える必要があります。

この「そもそも」が十分に考慮されていないと、ターゲット/ペルソナも設定のしようがありませんよね?

ミッションとは、「自分たちがこれをやらなければ会社として活動する意味はない」という、社会的使命感のようなものになります。経営理念や行動指針などはこのミッションを軸として考えられるべきです。

そしてビジョンは「あたなの会社は何をしようとしているのか?」という質問に対しての答えになります。

ここがぶれると自分たちは誰を対象として行動を起こすべきなのかがわからなくなってしまいます。

名だたる企業はこのミッションをつくっています。

このようにしっかりと自分たちの言葉で示すことが大事です。

三浦崇宏の「言語化力」の中でもビジョンを立てるときに「数字」で表現してはいけないとしています。「前年同期売り上げ比10%アップを目指そう」では確かに人はついてこないですよね・・・。これはビジョンではなくて目標です。

おおげさかもしれませんが、医療者が運営する学会や研修会もこれらの企業が設定しているミッションと同様に「自分たちはこれをやらなければ研修会を開催する/学会を開催する意味がない」というものを設ける必要があると思います。

このミッション、ビジョン、バリューの3つが会社が提供する商品やサービスに練りこまれていること、働いている社員の行動にも反映されていることは、会社自体がブランド化する「コーポレートブランディングの必須条件」であると言われています。

これらのことが顧客(私たちの場合であれば研修会、学会参加者)にしっかりと伝わって初めて、より意味をなします。

三浦氏(言語化力の著者)はミッションやビジョンを設定する際、また顧客とともに仕事する際に言葉を選ぶと言っていますが、この選んだ「言葉をみる」のではなく「その言葉の向こうで何が動くかを見る」ことが必要だとしています。

ミッションやビジョンは同じ仕事をする仲間、そして商品やサービスを提供する方々に対して伝わってなんぼ。考えたビジョンの言葉の向こう側で何が動くかを見る・・・。とことん自分たちの考えと向き合い、また相手の立場にたって物事を俯瞰してみることが必要そうです。

これは私も恥ずかしい話、考えたことがなかったです。学会を運営する立場としてこれから自分たちのミッションを考えていきます。

研修会/学会を運営する医療者へ

私は物も売っていませんし、ましてや開発もしていない病院職員です。でもこのマーケティングの知識は医療職でも使えると思います。なぜなら講演会で話す内容をどのようなものにするかを考える時にも使えそうだからです。

聴衆が求めている内容とは全く違うことを話まくり自己満足にひたっているような講師などをたまに見かけます。講師は自分が話をしたいことを話すのも良いかもしれませんが、聞いてくれる人たちがどんな悩みを抱えている人で、どんな情報を知りたがっているのかを念頭に置いて話すべきです。

そうでないとせっかくの講演も無駄に終わってしまいます。私も医療者ですがこのペルソナについてしっかりと学び自分の講演活動や学会運営に役立てたいと思います。

マーケティング成功術!ペルソナを設定する3つのメリット

この記事の参考文献・書籍

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