はじめに

コロナウィルスの感染拡大によって多くの会社の従業員が自宅でリモートワーク、テレワークをするになりました。報道によれば自動車保険のチューリッヒはリモートワークの社員が実に90%にもなるとしています。

常日頃より、PCでの作業が多い職種の方々にとっては、機密事項や個人情報の管理などのセキュリティーが確保出来るのであれば自宅でも仕事は可能かもしれません。

しかしながら、外出自粛、自宅謹慎となった場合にこのような働き方が出来ない職種の1つに医療介護があります。

今回、私もコロナウィルスの影響により(感染はしていませんが)、2週間自宅待機となった経験から医療介護従事者、特に理学療法士の自宅待機の現状、リモートワークの限界と可能性について書いてみようと思います。

自宅待機中はどんな感じ?

子供との時間が持つことが出来た

2週間の自宅待機中は1歳になる息子と1日中、自宅で一緒にいる日々でした。この月齢の子供と長期に渡って一緒にいることが出来るのは珍しいことでした。そのため、子供とたくさん触れ合って楽しかったです。

ただし、これまで育休中の母親に子供の世話のほとんどを任せていたので、いざ1人で2週間もの間、子供をみるということは大変でした(嫁も仕事に出ているため)。ご飯の準備や、おむつ交換、昼寝の寝かしつけなどなど・・・。平日の帰ってからや、土日はやっていましたが、1人でずっとやるのとは全然異なります。

2週間という長い自宅待機でしたが、子供としっかりと触れ合うことが出来ましたし、嫁のこれまでの大変さを感じることが出来たという点では非常によかったです。

仕事のことは気にならなかったか?

これは非常に気になりました。通常、医療介護現場では人が人に行うことが多い対面の業務のため、自宅では行うことは出来ません。

私が担当する患者さんを別の理学療法士に継続してリハビリテーションを提供してもらうために振り分ける必要がありました。

日頃からたくさんの患者さんを担当しているスタッフの方々に私の担当患者をお願いすることはものすごく申し訳ない気持ちになりました。そして、自宅にいながらも「今ごろ、あの患者さんはどうなっているだろうか」「無事、歩けるようになったかな」と常に心配はたえませんでした。

朝礼の内容のメールは届いていましたので、それで現在の状況を確認したり直接スタッフに確認のメールをしたりして情報共有をはかってはいましたが、それでも十分ではありませんでした。

理学療法士が自宅待機となった時、何が出来るのでしょうか?

これまで10年近く、理学療法士として病院勤務を行い、毎日多くの患者さんや看護師、その他の医療スタッフと関わってきました。そのため、急に2週間もの間、ほとんど人と会わなくなるという日々が続くと「仕事がしたい」「誰かと繋がりたい」という思いも出てきて焦りましたが、実際には何もすることが出来なかったというのが現状でした。

理学療法士のリモートワークは可能か?

患者のリハビリテーションをリモートワークで出来るか?

これは現在の医療体制の中ではほとんどの病院では難しいでしょう。理学療法士をはじめ、多くの医療従事者は対面での仕事が主体であるためなかなか難しいように感じます。

しかも理学療法士においては徒手的に関わることも多いため、徒手的な治療を行うような介入についてはリモートワークで出来る可能性はほぼ0と言って良いでしょう。

私も人工関節術後の患者さんや脳梗塞の後遺症による運動麻痺(手足を思う様に動かせなくなる症状)の患者さんを担当していましたが、このような患者さんたちのリハビリテーションを継続するためには職場のスタッフに変わりをお願いするしか方法はありませんでした・・・。悔しいですけど、これが今の医療介護現場、特に私が勤務するリハビリテーションの限界です。

現状、理学療法士に出来るリモートワークとは?

出来ることは本当に少なかったです。直接、患者さんに触れることは出来ないので、通常の業務はほとんど無理でした。

それでもただ休むだけというのは、非常に悔しかったので働いているスタッフにとって何か有益となることが出来ないかと考えた結果、以下の様なことを実施しました。

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  1. 業務の中で進行していないことの代行
  2. 資料作成代行
  3. 論文検索
  4. その他

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自宅でPCを使って出来る仕事に限られましたが、出来ることはやろうとしました。

業務の中で入院・外来患者さんにお渡しするための自主訓練の指導書や、他スタッフからのスライド作成の代行、またはそのスライドを作成するために必要な論文の資料検索・提供などを行いました。

スタッフの方々の業務効率が上がるようなことを考えて行いました。

また私のような自宅待機となったスタッフが増えた場合に起こりうること、さらまたその時がきた時のために今から対応をしておくべきことなどを資料にまとめメールで提出をしたりしました。

意外と好評だったのは学校などが休校になった時に自宅で子供と楽しめる遊びや料理などをまとめた資料でした。外出自粛となってどこにも出かけることが出来なくなると子供もその親であるスタッフもストレスがたまると思い、自宅でも一緒に楽しめることについてまとめて送ったりしました。

多くの方々が病院や施設で勤務をしていると思いますが、中には起業をされたりフリーランスで活動をされたりしている方々もいます。

そういった方々はトレーニング動画を作成して介入を続けたり、電話やメールなどで対応をしながら仕事を続けていると聞いています。それでも直接的な介入が少なくなると収入は減少だと言っています。

ただ、今回のような事態となったことで今の理学療法士の働き方にもウィークポイントがあることが分かりました。

今後はもっとフレキシブルに働けるように、より多くの方々により良い関わりが出来るようになることをすぐに考え始めるべきです。

医療介護の現場の未来への発展

医療・介護現場でリモートワークは可能か?医療・介護の未来とは

以前よりテレビ電話での遠隔診療に対しても診療報酬をつけるなど国は推進していましたが、なかなか整備は整っていませんでした。

しかしながら今回のコロナウィルス感染拡大に伴い、遠隔診療を行う医療機関が増えました。

遠隔診療を医師が自宅で行う訳ではありませんが、これもリモートワークの一部ではないでしょうか。

直接の診察も必ず必要ではあると思いますが、必要に応じて遠隔診療がこれからも利用されやすくなるかもしれません。

まだ医師が利用するようなシステムやサービスのみですが、これが私たち理学療法士やその他の医療介護現場で働くスタッフにも利用が出来る物があれば、将来、私たちも自宅にいながら仕事の一部をリモートワークとして行うことが出来る日がくるかもしれないです。

その1つに「ポケットセラピスト」があります。これは肩こりや腰痛に悩む方々を理学療法士がアプリなどのWeb上でチャット機能を利用しながらサポートするサービスです。

理学療法士は登録制で普段の仕事を続けながらこのサービスに参加することが出来ます。(参加登録をするためには面談などを受ける必要があります)こういったサービスはこれまでに理学療法士の分野ではみられませんでした。

これはサービスとして実装されているものですが病院が行うサービスとして実施しても良いと思います。例えば外来患者や、退院後の患者のシームレスなサポートを行うためのサービスとして実施しても良いでしょう。

理学療法士として徒手的に介入することはもちろん重要ですし、そこについての技術・知識の担保・向上は必須だと思います。それが理学療法士の専門性であると思います。

ただしコロナウィルスの感染拡大によって理学療法士のウィークポイントも明らかになりました。もう少しだけ今と未来を見据えて行動をしていくべきでしょう。

さいごに

今回のコロナウィルスの感染拡大は、良くも悪くも家庭や仕事に大きな影響をもたらしています。

会社への出勤が停止となることでいたリモートワークや遠隔医療も飛躍的に一般社会に浸透したように感じます。

また学校が休校となったとことで早くに仕事を終え、自宅へ一目散という親御さんも増えたと聞きます。

さらには飲食店も店舗での飲食のみの営業とせず、ウーバーイーツの加盟店も増えたりすることでデリバリーが利用しやすくなったなど良いことも増えました。

コロナウィルスの感染拡大は良いニュースではありませんが、今回の一件でたくさんの人たちの意識改革が巻きおこったのではないかと思います。

理学療法士もこれまでの働き方を大事にしながら、もっとより良く患者さんへ効果的に関われるよう工夫をしていかなければなりません。

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