はじめに

【この記事を1分間で読む】

抗がん薬により赤血球数が減少するため貧血になります。これによって様々な症状が出現します。頭痛やめまい、動悸、息切れなど症状は多岐に渡ります。ゆっくりと貧血をなった人の場合、自覚症状を感じにくくなっていることがあるため注意が必要です。

がん患者の貧血の定義

血液中の赤血球数やヘモグロビン濃度が減少している状態で、ヘモグロビン濃度で定義される(正常なヘモグロビンは成人男性14~18g/dL、成人女性12~16g/dL)。抗がん薬によって骨髄の造血幹細胞の分裂が抑制され、赤血球の産生低下・血小板減少に伴う出血などが生じた結果、貧血が生じます。

 
赤血球は骨髄内の造血幹細胞から分化・増加を繰り替えすことで血液中に送り出される。赤血球の寿命は120日と長いが、この赤血球数の減少により貧血が引き起こされます。
 
 
 

がん患者の貧血の原因とは

POINT

 

  • 骨髄抑制による赤血球数減少
  • 腎機能障害による腎性貧血
  • 血栓性微小血管症による溶血性貧血
 
抗がん薬を使用しているがん患者さんの場合、様々な要因で貧血が生じます。

抗がん薬により造血幹細胞の細胞分裂が抑制されることにより赤血球がつくられなくなります。また白金製剤などにより腎機能に障害が出現し、赤血球の造血因子であるエリスロポエチンの産生が減少が起こり、その結果赤血球数が低下するなどして貧血が生じます。

その他、抗がん薬以外の要因に出血、低栄養、腎機能不全などによっても生じます。

貧血の症状

ヘモグロビン値が8g/dL未満では細胞などの組織に十分な酸素を運搬することができなくなるため、呼吸数や心拍数が増加します。その他には動悸や息切れなどが出現します。
 
貧血が進行するスピードが遅い場合は自覚症状を感じにくい場合もあります。
 
そのため、赤血球・ヘマトクリット値などの血液検査結果をしっかりと把握すると同時に、患者さんの身体的変化がないか観察を行うことが重要です。
 
また貧血によってふらつきが生じやすくなることで転倒につながるケースもあるため、病棟内での生活には十分注意が必要です。
 
赤血球の輸血はヘモグロビン値7.0g/dL以下を目安として投与されることが多いようです。
 

リスク要因とは

 

抗がん薬

白金製剤やタキサン系薬、トポテシンなど抗がん薬 、
シクロホスファミド・メトトレキサート・フルオロウラシルを含む多剤併用療法や、メトトレキサート・イホスファミドなどの高容量投与がリスク要因として挙げられています。

個人

高齢、造血腫瘍、骨髄浸潤、放射線治療の併用、過去の化学療法歴、放射線治療歴、PS、栄養状態(鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏)であることが個人のリスク要因となっています。

 

患者さんと接するときの注意点

貧血があると様々な身体症状が出現します。これまでは病棟内を何ら問題なく歩くことができていたとしても、貧血があると息切れや動悸が出現します。

そのため貧血である患者が病棟内を歩いている時などは、息切れの程度やその他の症状が出ていないが注意して観察を行い、必要に応じて声かけを行いましょう。

また転倒リスクも高くなってしまうことから、病室内の環境整備を行う必要性があります。

リハビリテーションで運動療法を行う際は、本人の体調の変化を見逃さないようにしましょう。

さいごに

抗がん薬により赤血球数が減少しますが、これによって様々な症状が出現します。どのような症状が出現するのか、また輸血が必要なタイミングを知っておくことは重要です。患者さんの自覚症状を細かく観察しましょう。

今回の記事の参考文献

がんのリハビリテーション
こちらはあらゆるがんに対するリハビリテーションのことを記載されてある本です。がんの患者さんと運動療法を行うにあたっての注意点なども明確に記載されてあるので臨床で非常に役にたちました。
がん治療薬まるわかりBOOK
こちらは抗がん剤のレジメンが掲載されていたり、1つ1つの薬剤の効果と副作用、ケアのポイントなどが非常に端的に分かりやすくまとめられてある本です。私の病院の看護師さんたちは必ず持っていると聞き、即購入をしましたが非常に良い本です。

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