はじめに

日本は世界の中でも超高齢化が進んでおり、これは更に今後も加速化するとされている。

2025年には高齢化率は30%、2060年には39%を超えるとされている。3人に1人は高齢者になる計算である。また新たに高齢者になる者もいれば、すでに高齢者である者の高齢化もどんどん進んでいく。

この世界にも類を見ない高齢者だらけの状況で注意しなければならないことの1つに「骨折」がある。

実はこの「骨折」が今後の世の中で大問題になる可能性があるのだ。

高齢化がもたらす「骨折」問題

人間いつかは介護が必要になる。平成28年国民生活基礎調査では要支援・要介護になる原因の24.6%は転倒や骨折、骨関節疾患、脊髄疾患のような運動器の障害であるとしている。

またこの運動器障害にかかる医療費もかなりの額となっているようである。

2016年度の国民医療費の報告では42.1兆円がかかったとされている。その中で疾病分類別でかかった費用をみてみると「筋骨格および結合組織関連疾患」にかかった額は分類の中でも第3位と上位に位置する。ちなみに第1位は循環器系疾患、第2位はがんである。

高齢者になると転倒する人が増加する。そして転倒すると骨折する可能性が高くなる。つまりこれから加速化する高齢化社会は医療・介護の両面においてかなりのコストがかかってくることが予想されるのである。

つまり骨折予防に対する取り組みは喫緊の課題なのである。

ロコモティブシンドロームが鍵

2007年に日本整形外科学会は「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」のことをロコモティブシンドロームとして定めた。ロコモが進行すると要介護状態になりやすいとされている。

ここでいう運動器の障害とは、筋力やバランス、柔軟性などの運動器機能低下と変形性関節症、骨粗鬆症、サルコペニアなどの運動器疾患のことをいう。

運動器障害は加齢と共に有病率は上昇する。現在、変形性腰椎症は3700万人、変形性膝関節症状2530万人、骨粗鬆症1280万人にのぼるとされており、この3つの内少なく共1つに罹患している高齢者は4700万人とされている程である。

これらの運動器の障害はどれも転倒リスク要因とされているため、ロコモティブシンドロームに対する転倒予防、運動器障害の改善はこれからの高齢化社会に必要な対策なのである。

ロコモと骨折

ロコモ該当者は加齢の影響から骨密度の低下しているだけでなく、移動動作能力の低下に加え、糖尿病のなどの生活習慣病を持ち合わせていることが多いため、骨密度だけでなく骨質も低下している可能性がある。

GAINA studyではロコモ該当者は年間に34%が転倒し、約60%が低骨量であり、非ロコモ者と比較して有意に高値であったと報告している。

松本らはロコモと転倒には有意な相関があり、ロコモになると転倒リスクは3.5倍になると報告している。

骨粗鬆症を合わせもつロコモ該当者は特に転倒・骨折に注意する必要があることがわかる。

おわりに

これから先の高齢化が止まることはない。医療・介護費用が増大していくことは間違いないであろう。その1つの要因が転倒による骨折だ。ロコモ該当者には特に注意して関わる必要性がある。

これからの未来のためにロコモに対する転倒・骨折予防に向けた取り組みを加速化させる必要がある。

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