はじめに

女性は男性と異なり骨粗鬆症になりやすいとされている。それは女性特有のホルモン量が変化するためである。

ホルモン量が変化することで骨代謝が変化し、結果的に骨粗鬆症になるのである。

閉経とホルモン変化

女性には閉経がある。閉経は平均40~50歳で起こることが多いが、この時に女性の体内では閉経前とホルモン分泌量が異なるのである。

閉経による女性ホルモンの消退が骨吸収を亢進させることが骨粗鬆症に繋がるのである。この女性ホルモンの消退は関節痛を引き起こすともされている。

乳がんの症例において女性ホルモンの合成を阻害するアロマターゼ阻害薬を使用することで関節痛の頻度が上昇したという報告もある。

女性ホルモンの1つである「エストロゲン」の欠乏は破骨細胞の活性化を誘導することで骨吸収を促進する。閉経後はこのエストロゲンが急速に低下するため、骨吸収が促進され、その結果骨密度が低くなり骨粗鬆症リスクが高くなるのである。

このエストロゲンの急激な欠乏により閉経後10年ほどの間で骨量は著しく減少し、骨量減少あるいは骨粗鬆症になるのである。

その減少速度は20~44歳を100%とした場合、45~49歳で約98%、50~54歳で90~92%、55~59歳で82~83%と激減していく。

また閉経に伴う酸化ストレスは骨吸収優位の骨リモデリングの亢進を助長するとされている。またこの酸化ストレスは骨の重量あたり20%、体積あたり50%をしめる骨コラーゲンの異常をもたらす主な原因でもある。ちなみに骨コラーゲン含有量は30~40歳代がピークである。

図)骨強度低下の多様性/エストロゲン欠乏

その他、女性特有のものではないが、骨コラーゲンの老化架橋であるペントジシンは閉経後女性の尿中ペントジシンの高値が独立した骨折危険因子であることも示されている。このペントジシンは2型糖尿病の独立した骨折危険因子であるともされている。

閉経後の骨折リスク

閉経後女性の椎体骨折リスクの推定値が算出されている。

椎体骨折リスクは年齢があがるごとに上昇する。またどの年齢層においても骨折部位を問わない既存骨折なしで診断された場合に比べて、既存骨折がある場合のリスクが高く、その差はどの年齢層でも約1.6倍である。

表)閉経後骨粗鬆症における5年間の椎体骨折推定値

薬物療法の効果

エストロゲンは早発閉経者の骨粗鬆症予防や閉経後比較的早期の女性で更年期症状を伴う女性の骨粗鬆症予防や治療に関して、特に有用性が期待できるとされている。

メタアナリシスではエストロゲンはその種類に拘らず閉経後女性の骨密度の上昇、維持効果を有する。またエストロゲンの投与による椎体骨折リスクの低下、新規椎体骨折の発生の減少効果があることも示させている。

おわりに

・女性は骨粗鬆症発症リスクが高い

・その原因の1つに女性ホルモンである「エスロトゲン」が閉経に伴い急激に減少する

・エストロゲンの欠乏は骨吸収亢進を引き起こす

・エストロゲン投与は骨密度の上昇、骨折リスク軽減効果がある

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA